冨田鋼一郎
墨画着色絹本
印「号四明」(白文方印)
「朝滄」(白文朱文混合方印)
署名はないが、印章から結城下館時代の蕪村が漢画修業中に描いたものと判明する。
燕が仏桑花(ハイビスカス)に向かって空中で足をすぼめながらホバリング。
一瞬を捉えたものだが、現在まで270年も空中で停止しているかと錯覚してしまう。
仏桑花も燕も子孫繁栄を願う吉祥画題だ。
ここで父の短歌をひとつ。
雌蕊長く垂らして一日を咲き尽くす
ハイビスカスの紅眩し
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)