日々思うこと

柿の木とレモンの木

冨田鋼一郎

昨年の暮れ、高く伸びてしまった柿と金木犀を植木屋さんに切り込んでもらった。

もう半世紀も一緒に過ごしてき我が家の一員だ。

老いた柿の木にも黄緑の若い柔らかな枝葉と花芽が伸びてきた。今年もいくつか実をつけてくれるだろう。

レモンの木はまだ背丈より少し高いだけだ。たくさん花開いて甘い香りが漂う。

庭を詠った親父の身辺雑詠の歌がいくつもある。

⭕️柿の実の今年は生(な)り年枝しない
  一本千個の輝く鈴なり 
修平平成8年81歳

⭕️青天の光まぶしき柿の青葉
  花芽の割れて咲き初むらしも 
       修平平成13年86歳

⭕️レモン咲けど駆除剤使えずつく虫に
  ピンセットもて目を光らする
修平平成15年88歳

⭕️柿採りは身軽な妻が木に登り
  見守るわれが下で受け取る 
       修平平成15年88歳

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました