大塚楠緒子(1875-1910)
冨田鋼一郎
有秋小春
昨年の暮れ、高く伸びてしまった柿と金木犀を植木屋さんに切り込んでもらった。
もう半世紀も一緒に過ごしてき我が家の一員だ。
老いた柿の木にも黄緑の若い柔らかな枝葉と花芽が伸びてきた。今年もいくつか実をつけてくれるだろう。
レモンの木はまだ背丈より少し高いだけだ。たくさん花開いて甘い香りが漂う。
庭を詠った親父の身辺雑詠の歌がいくつもある。
⭕️柿の実の今年は生(な)り年枝しない
一本千個の輝く鈴なり
修平平成8年81歳
⭕️青天の光まぶしき柿の青葉
花芽の割れて咲き初むらしも
修平平成13年86歳
⭕️レモン咲けど駆除剤使えずつく虫に
ピンセットもて目を光らする
修平平成15年88歳
⭕️柿採りは身軽な妻が木に登り
見守るわれが下で受け取る
修平平成15年88歳