骨董品

西山宗因「けふとなふ」句短冊 

冨田鋼一郎

 千句題 佛名
けふとなふ佛の御名御名(おなおな)弟子子(でしこ)かな 西翁

季語:仏名(御仏名、仏名会)(冬)

仏名:歳末に三千の仏の名を唱えながら礼拝する苦行。
歳末に三千の仏の名を唱えて苦行をしているお坊さんたち。彼らはすべて仏様の弟子であることよ。
「御名御名」は「皆々」と掛詞になって、軽やかなリズムがある。学問を積んだ人物の書体は味わうべきものがある。

学問を積んだ人物の書体は味わうべきものがある。江戸初期の知識人たちの培った古典教養は計り知れない。

宗因は談林派の祖。もし宗因がいなかったなら、我々は西鶴の「浮世草子」、芭蕉の俳諧や「おくのほそ道」などを持つことはなかっただろう。

西山宗因(にしやま そういん1605-1682)

江戸前期の連歌師・俳人。談林派の祖。俳名は西翁・梅翁など。門下に西鶴をはじめ多数の俳人を輩出。

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冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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