冨田鋼一郎
貴札忝拝見
雪ちらちら外面しづかに
甘吟仕候
緬然心おのづからかし。
外面似菩(薩)内心
似夜叉のふくみ
御仰最上也。
私之句ハ近日上可申候
大江丸
十一月二日
紫孤齋君
今夕会之句
しも降て又白妙の越路哉
法恩こうさつまなますも老婆心
禅海が雑炊もけふ口切か
紫孤齋君とは誰だろう。紫孤庵とは蕪村の別号であるが、宛名の紫孤齋君が蕪村であるかは定かでない。大江丸は蕪村と交流があった。
大伴大江丸(おおともの おおえまる1722-1805)
江戸後期の俳人。大坂の人。飛脚問屋を営む。大島蓼太(1718-1787)門。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)