紙本墨画淡彩
署名「四明」
印 「淀水」(白文方印) 「長滄」(朱文方印)
落款(署名と印章)から20代後半から30代前半に過ごした結城下館時代のものと判明する。
月次絵(つきなみえ):月ごとの絵画、1年12カ月の行事や風物を順に描いた絵画。
ここには「三月」を掲載する。茣蓙の上での花見、さまざまな出立ちで立ち話、家前で鶏と遊ぶ子ども達の様子。
小さな画面に15人も。遠景から近景へ川や靄によって場面を移動させて、斜め上からの視点で描写している。
庶民の暮らしぶりを四季行事をおり混ぜて描き留めた。左上隅に小さく「三月」と記されている。
蕪村は、漢画だけでなく日本画も貪欲に学んだ。
元は二曲屏風に貼り混ぜられていたが、現在はバラバラに剥がされている。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)