冨田鋼一郎
弓取に歌とはれけり秋のくれ
夜半翁の作
月渓書 印
季語:秋のくれ(秋)
弓取:武士
晩秋の夕暮れ、和歌には縁のなさそうな武者から歌を求められた。冬が到来しようとする夕暮れ時だ。弓取りでもさすがにもののあわれに揺り動かされてのことだろうか。
『蕪村全集』発句一には、西行の「心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ」の僧を弓取りに置き換えたもの、と解説がある。
師蕪村の句を用いた作。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)