桐生市の山肌
冨田鋼一郎
有秋小春
「ともに挑む。ともに実る。」
みずほ銀行から来年のカレンダーをいただいた。そのキャッチコピーに目が留まる。
今年に限って、なぜ「挑む」の言葉を使ったのだろう。この言葉は、われわれ顧客にどう映るのか。
「皆さん、今年は、新しいリスクに挑戦してみませんか。そして、ともに実り多い未来を手にしましょう」。伝えたいことはこんなことか。
「挑む」は、リスクを積極的に取る「投資社会化」、きっと新NISAを念頭にしているのだろう。
「新NISA口座をたくさん取り込んで、我々も稼ぎたい」との思惑が透けて見える。
私の子供のころの富士銀行のキャッチコピーは、「皆さまとともに歩む銀行」だった。
「ともに歩む」は、銀行もリワードもリスクも顧客と共有することだ。リスクを顧客に一方的に背負わせることではない。
今の銀行は、テーブルに顧客の隣に座って寄り添うのではなく、テーブルの向こう側にいて交渉相手となっているように映る。
もう一度「皆さまとともに歩む」の精神を復活させてほしい。