日々思うこと

国境の壁について

冨田鋼一郎

「ガザの通信「完全に途絶えた」 国際人道団体も連絡取れず」直近の報道。

世界中がガザ地区に張り巡らされた壁に注目している。

イスラエルにとっての防御壁だったものが、パレスチナの人々にとっては兵糧攻めの壁となっている。

人の出入りだけでなく、通信、ライフラインの水・食糧・医薬品、生活物資、電力が殆ど届かない。

国境の壁を思いつくままにあげてみた。
・朝鮮半島の軍事境界線
・インドパキスタンのカシミール灯光器
・ギリシャトルコ国境エブロス川フェンス
・ブルガリアのトルコ国境有刺鉄条網
・キプロス島グリーンライン
・スペインのセウタ・メリリャ鉄条網
・アメリカメキシコリオグランデ川沿い壁

これらの壁は、いずれは観光名所となって役割を終える。万里の長城、ハドリアヌスの長城、ベルリンの壁がその証だ。

政治的に分断している国境は、すでに穴だらけのザルになっている。隔てようとする力は、ますます互いに機能的に繋がろうとする力に押し負かされて、壁の高さはさらに低くなっていくだろう。

そして、長い目で見れば、人為的に設けられている国境そのものも消滅し、一つの世界に向かう。これが歴史の流れだろう。

秋バラ(紅白)

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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