3月2日の今日
冨田鋼一郎
有秋小春
『海をむしばむ「双子の悪」』
陸地の性質は、温まりやすく冷めやすいので熱が溜まりにくい。
一方、海の性質は、温まりにくくその分冷めにくい。また、海に溶け込むCo2は、海水の水素イオン濃度指数(pH)が低下する。長期にわたって熱とCo2を吸収して、時間をかけて平均4000メートルの深海にまでじわじわ伝わっていく。
「双子の悪」とは、「地球温暖化と海洋酸性化」。このダブルパンチで日本近海のサンゴは全滅の可能性があるそうだ。「双子の悪」の原因はいずれもCo2の増加。
陸地と海洋の性質の違いが陸海の生物への影響を及ぼす。
陸地の生物は北上・南下する。一方、海では生物への「双子の悪」の影響がよくわかっていない。
「海の生物多様性の相互作用はわかっていないことが多い。実態すらわかっていないうちに、私たちは貴重なものを失おうとしている。」
研究者の最後の言葉が胸に刺さる。
地球をトータルとしてメカニズムを理解する地球物理学は急速に進歩している。このような喫緊な問題意識に突き動かされているのだろう。
[雨に濡れた南天とビヨウヤナギ]