冨田鋼一郎
下落合の牡丹寺です。
境内は牡丹の香りで包まれています。一週間ほど早いでしょうか、今が盛りです。
我が家より自転車で十分薬王院に
ぼたんの咲きて今が真盛り 修平
薬王院に色とりどりのぼたん咲く
大和長谷寺の末寺の宜に 修平
中空に日のとどまれる牡丹かな 風生
虹を吐てひらかんとする牡丹哉 蕪村
山蟻のあからさま也白牡丹 蕪村
白牡丹いふといへども紅ほのか 虚子
うつむけに春うちあけて藤の花 蕪村
けふのみの春を歩ひて仕舞けり 蕪村
豊かな藤の花房がまるで上から下へ春のすべてをぶちまけるように咲いている。藤の花で春は全部おしまい。
季語:藤(春)、牡丹(夏)
風生の句碑には純白の石楠花が寄り添っています。
地面にはたくさんのホースが張り巡らされています。見事な牡丹園は、年間通した丹精込めた世話のおかげです。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)