日々思うこと

今日の肥後細川庭園と未来の物語

冨田鋼一郎

最近、原発関連記事や番組が目に留まるようになった。これまでは、理解を超える、知りたくない、見たくない、もう過去のことだと自分を無理やり納得させて、忘れたがっていたと思う。

プルトニウム、ベント、デブリ、プルサーマル、セシウム137、ストロンチウム90、トリチウム、 ALPSなどなど恐ろしげなカタカナが並ぶ。

しかし、身近に迫る処理水海洋放出、汚染土壌処理、使用済み核燃料の処理など永遠に悩まされる事柄だから、誰も逃れる事ができない。

そんな中、『チェルノブイリの祈り 未来の物語』スベトラーナ・アレクシェービッチ(1948- )をようやく手に取る気になった。ドキュメンタリー文学の最高傑作といわれる。

まだ、第二章だが、過酷な現実に突然直面した人々の取材から何を受け取るか、読者の想像力が問われている。

21世紀とはこういう世界に生きることか。フクシマを重ねて、頭がクラクラしてくる。こんな時には漱石さんと会話したい。

秋の講演『21世紀に生きる意味』の準備を始めている。この話題は避けることができない。今のうちにしっかり考えて、発酵させる。一夜漬けでは講演できない。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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