書画の真贋判定には、落款(署名と印)の確認が欠かせない。
蕪村は若い時から文人趣味があり、多くの印章を持っていた。関東遊歴時代だけで10顆ある。さまざまに組み合わせて、楽しんでいた。
しかし36歳で上洛以降、これらを一切使わなくなった(『蕪村全集』絵画遺墨)。
旅の途上で紛失したのか、あるいは、新調して気持ちを一新させたかったのか、理由はわからない。
この時代の代表的な印章を二つを紹介しよう。
照合作業なので印の四辺の欠け具合も大事な確認個所だ。
作者不明であっても、もしこの影印のあるものを見つけられたら、新発見である可能性大です。
是非お知らせください(笑)。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)