骨董品

山口素堂筆「尋六々山題六言六句」漢詩

冨田鋼一郎
H28.7 x W42.0 (cm)

尋六々山題六言六句
先尋日東季杜 
静対中華仙顔
山禽啼長松樹 
野客人老梅間
詩興猶何処好 
泉石前翠微間
       山素堂

六々山:石川丈山の詩仙堂のこと。比叡山の西麓にある石川丈山の居宅。丈山は三十六詩仙の像を狩野探幽に描かせ、これに詩を題して掲げた。

晩年の碩学、石川丈山(六々山)を訪ねる若き素堂。六々山に因んで、六言六句で詠じた。

山口素堂(やまぐちそどう1642-1716)

江戸中期の俳人。名は信章、号は素仙堂など。儒学・書道・和歌・茶道・能楽をも学び、江戸に出て芭蕉と親交を結んで蕉風の
成立に影響するところ多く、葛飾風の祖とされる。”目には青葉 山ほととぎす 初鰹”の句で有名。没年は蕪村の生まれ年である。

石川丈山(いしかわじょうざん1583-1672)

江戸初期の漢詩人・書家。六六山人・四明山人・凸凹窩などと号。三河の人。徳川家康に仕え、大坂夏の陣に功をたてた。のち藤原惺窩に学び、晩年は京都に詩仙堂を築いて閑居。

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冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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