骨董品

山口素堂筆「志賀の花」短冊

冨田鋼一郎
H33.8 x W5.8 (cm)

志賀の花湖の水それながら 
       山素堂

芭蕉が亡くなったのは元禄7年(1694)。素堂のこの俳句は没後7年経った元禄14年(1701)の作。

芭蕉翁を追慕すること、月日が経っても変わらない。
翁のゆかりの深い琵琶湖南西、志賀の地で桜や琵琶湖を眺めていると、その変わらない自然の景色とともに翁の在りし日々がありありと思いだされてくることよ。
素堂の芭蕉を慕う思いは、他の蕉門に負けず劣らずである。

浪華芦陰舎大魯閲「山口素堂句集」以下のかたちにて所収
「芭蕉居士の旧跡を訪ふ
志賀の花湖の水其ながら 素堂」
『そこの花』元禄十四年(1701)には、前書き「芭蕉の塚に詣して」、『きれぎれ』には、「芭蕉塚にて」、
そして、『渡鳥集』には、「芭蕉居士の奮跡を訪」として所収。

山口素堂(やまぐち そどう1642-1716)

和歌・漢詩・俳諧作者。

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冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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