日々思うこと

衝撃的ニュース「カナダで日本人女性カップル、カナダで難民認定」

冨田鋼一郎

「日本で差別逃れられない」指摘。目を疑う記述だった。

「日本社会では差別から逃れることができない」ことを理由に、カナダで難民認定される。

日本とカナダで、社会の包容力がこれほど格差があることを証しである。

他国で難民認定される日本人は毎年十人程度いるそうだ。知らなかった。

緒方貞子さんは難民受け入れに消極的な日本を「いつまでも島国根性なんだから」と嘆いた。

先日、バイデン大統領は「移民が米国経済の強さ」と指摘する一方、日本やインドは「外国人が嫌い(xenophobic)で移民を受け入れないため」に経済的な問題があると述べた。当たらずとも遠からず。

今回は、外から来る人に対してだけでなく、日本社会内部でも極端な閉鎖性があることを象徴するニュース。さまざまなマイノリティを排除する圧力は数限りない。

政府は、「外国人から選ばれる国になる」と言うが、やっていることは及び腰。

「選ばれない国」になるどころか、国としてもっとも恥ずべき事態は、力のある自国民に「愛想つかされて、祖国から逃げていく国」になってしまうこと。

若い自国民を追い出しておいて、小手先の少子化対策ばかり論じるのは滑稽に見える。

今回はそのような憂うべき状況の先触れのように映る。

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冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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