こころは何処にあるの?
⭕️こゝろほどうごくものなし春の暮 暁台
「春のこヽろ」は「ちいさい」と感じる。その小さなこころがあれこれと動き出す
「春愁」という言葉がある。春の日になんとなく気がふさいで、ものうくなること。
江戸期の人は、「心」はどこにあると思っていたのだろう。胸?目の奥?それとも脳?
⭕️菫(すみれ)つめばちひさき春のこヽろかな 暁台
西洋の詩では、花を摘んでしまうことが多い。西洋詩人が作ったような近代的な句。
日本では摘み取らず、そっと見るともなくながめる。芭蕉は、
⭕️山路きて何やらゆかしすみれ草 芭蕉
⭕️ よく見れば薺花咲く垣根かな 芭蕉
加藤暁台(1732-1792)
句に「こころ」を入れるのが得意な、蕪村と同時代の俳人。
ABOUT ME
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。
各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。
著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)