マクリ

里村紹巴筆紹巴一座 賦何人連歌巻子

冨田鋼一郎

元亀元年八月二十六日
賦何人連歌
 入を見むいづるをしみよ空の月 紹巴
朝ゆふ霜のはるゝ山かぜ 紹喜
椙むらやそめもをよばぬ時雨して 昌叱
更行秋のさむく成ころ 玄哉
 暮てよりうつ音しげきさ夜衣 心前
 波まの舟屋うらちかゝらし 英怙
 千鳥たつあしの葉がくれるうつる日に 禅永
 たえだえしろき霜の真砂地 了玄
 かすかなる鐘より明る道のすゑ 宗仍
 往来にしるしとおき里々 正頼
 丈ならふやわがかたかたに成らん 右運
   (下略)
 紹巴 十四  心前 十二  宗仍 九
 紹喜  九  英怙 十   正頼 六
 昌叱 十三  禅永 七   右運 一
 玄哉 十一  了玄 八

賦何人連歌(ふなにひとれんが)、紹巴による元亀元年(1570)の作。

連歌師、里村家の系譜を載せておく。これからも登場する人物たちである。

里村家系譜 (「俳文学大辞典」より)
里村 紹巴(さとむら じょうは1525-1602)

戦国時代の連歌師。長男に里村玄仍、次男に里村玄仲、娘婿に里村昌叱。

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冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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