日々思うこと

「令和6年能登半島地震」

冨田鋼一郎

こんなにえもいわれぬ美しい草花をつくりたもうた神がなぜ?

新年を迎えた直後に、北陸地方は大きな地震に襲われた。

The year 2024 has also opened rather inauspiciously.
(2024年もまた不吉な出来事で幕開けた)

先(運命)を見通す力を授けられなかった人間は、良くない出来事に遭遇すると、いつも何かの不吉な前触れととらえるようになった。

例えば、
○1755年11月1日 リスボン大地震
○1901年1月22日 ビクトリア女王崩御
○2001年9月11日 米国同時多発テロ
○2011年3月11日 東日本大震災

「マンゴ・パークの苔」のエピソードを思い出す。

マンゴ・パーク(1771-1808)
スコットランドの探検家。初めて西洋人として、サハラ砂漠のニジェール川を探検した。
困難を極めた前人未到の地の探検の最中、絶望の淵で見つけた「苔」の美しさに魅入る。

「人の心は、時として、いかにささいなことから慰めを得るものであるか」

「それは、小さな実を結んでいる苔のこの世ならぬ美しさであった。その苔は指先ほどもなかったが、私は、その根や葉やサヤの全構造の微妙さに感嘆せずにはいられなかった。こんな一顧だに値しないような植物を、地の果てに植えて水を与え、完璧なものに仕立てあげた神が(と私は考えた)、神自身の姿にかたどってつくられた人間の苦しみを見過ごすはずがあろうかーーいやそんなことは絶対にない。」

この思いが、絶望に陥ることを私に許さなかった。私ははっと立ち上がり、飢えや危険も顧みず、安堵は間近にあると確信して、先へ進み始めた、、、」

☆☆☆

神のつくりたもうた草花

 [ムラサキベンケイソウ]

 [ラベンダードリーム(バラ科)」

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました