日々思うこと

黒田清輝板絵「雲六点」

冨田鋼一郎

上野の東京国立博物館傍の黒田記念館にひっそりと展示されている雲のみを描いた六点。ここは私にとって、数少ない隠れ家的な美術館。

風景画で雲がしっかりと観察して描かれるのは稀だ。例えばユトリロの雲は、雲を見ず室内で描くので、まるで子どもが描いたかのように稚拙だ。

この六点は雲自体が主題なので全く違う。

『黒田清輝日記』によれば、大正3(1914)年8月15日に「午後雲ノ図三枚画ケリ」とあり、同10年9月8日に「夕刻雲ヲ描ク」、翌9日に「亦暮雲ヲ描ク」とある。いずれも鎌倉での制作である。刻々と形を変える雲と微妙な空の光を巧みにとらえている。

アップ出来ないので、サイトでご覧ください。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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