今日も池にスイレンが顔を出した。
冨田鋼一郎
有秋小春
和名は紫雲木、ノーゼンカズラ科。
「ぼくはジャカランダの木陰に寝イスを据えて、それに寝転んで目を閉じた。目を閉じても、うす紫の雲が網膜に映っていた。
ジャカランダというのは、アフリカのサクラである。サクラそっくりだが、その花はうす紫で、花のもちもかなりいい。、、
下から見上げると、その紫の花が真っ青なアフリカの空に溶けて、夢をみているような気持ちになる。その色は、一度見たら最後、目を閉じても消えない。ぼくは紫の雲に乗って、夢のなかをさまよっていた。」(森本哲郎「キリマンジャロの夢」『ぼくの旅の手帖』より)
こんな紹介を読んだ事があるので、ジャカランダはアフリカの木だと思っていた。
ロサンゼルス郊外の住宅街の街路樹にもあった。出張時のシドニーでも見かけた。我が家の近くのお寺にも立派な木がある。うす紫色の花をたくさんつけているが、誰も目に留めない。
森本哲郎さんのような美しい表現ができないのが口惜しい。