日々思うこと

ジャカランダの花

冨田鋼一郎

和名は紫雲木、ノーゼンカズラ科。

「ぼくはジャカランダの木陰に寝イスを据えて、それに寝転んで目を閉じた。目を閉じても、うす紫の雲が網膜に映っていた。

ジャカランダというのは、アフリカのサクラである。サクラそっくりだが、その花はうす紫で、花のもちもかなりいい。、、
下から見上げると、その紫の花が真っ青なアフリカの空に溶けて、夢をみているような気持ちになる。その色は、一度見たら最後、目を閉じても消えない。ぼくは紫の雲に乗って、夢のなかをさまよっていた。」(森本哲郎「キリマンジャロの夢」『ぼくの旅の手帖』より)

こんな紹介を読んだ事があるので、ジャカランダはアフリカの木だと思っていた。

ロサンゼルス郊外の住宅街の街路樹にもあった。出張時のシドニーでも見かけた。我が家の近くのお寺にも立派な木がある。うす紫色の花をたくさんつけているが、誰も目に留めない。

森本哲郎さんのような美しい表現ができないのが口惜しい。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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