骨董品

中沢弘光「丹後天の橋立」油絵 P8号

冨田鋼一郎

描きたいものは、景色そのものではなく、淡い光の煌めき。
外光派の中沢弘光の特徴がよく出ている。

句作をしたり、絵を描いたりと、この風流な旅には、俳人石倉翠葉や画家赤塚忠一が同行している。
「翠葉またのぞき」の様子を弘光が遺している。
油絵と日本画を並べてみるのも面白い。

天橋立(あまのはしだて)
京都府宮津市の宮津湾と内海の阿蘇海を南北に隔てる全長3.6キロメートルの湾口砂州。日本三景の一つ。

天橋立は『丹後国風土記』にイザナギが天へ通うために作ったものとあるように、「股のぞき」を行うことで、天地が逆転し、細長く延びた松林が一瞬天にかかるような情景を愉しむことができる。

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました