三浦樗良筆「うぐひすの」自画賛
冨田鋼一郎
有秋小春
初午やその家々の袖だたみ
夜半翁
月渓書
初午詣でには、どこの家でも身なりを、整えて出掛ける。
どの衣裳にも、それぞれの家なりの勝手な流儀による袖畳みの跡がついていて、いかにも庶民の祭りらしく微笑ましい。
蕪村は面白いところに目を留めた。年が明けて初めての大きな行事の初午。心浮き立つ気持ちをさまざまな袖畳み跡に見つけた。
それにしても、このイノシシのような動物は何だろう。
初午(はつうま):初春
二月の最初の午の日に行われる稲荷神社の祭礼。京都深草の伏見稲荷をはじめ大阪の玉造や各地の稲荷神社で盛大に行われる。稲荷信仰はもともと農事の神の信仰で、初午はその年の五穀豊穣を願うものであった。農家は稲荷社にお神酒や油揚げ、初午団子を供えたりした。