日々思うこと

美術作品や自然の草花に接して感じることは、美しいものには共通する何かがあるということ

冨田鋼一郎

カタバミ
たんぽぽの真っ白な綿毛
金糸梅(絵画)
レモンの開花が始まった。

長田弘 (「最初の質問」一節)
「うつくしい」と、あなたががためらわずに言えるものは何ですか。

小林秀雄
ほんとうにいい音楽とか、いい絵には、何か非常にやさしい、当たり前なものがある。

安野光雅(『みちの辺の花』より)
会う花はいつもかすかな驚きを含んでいた。たとえば「さんしゅゆ」がわたしの画室にきたときは、はるかな野山を思って胸騒ぎを覚えるほどだった。そのようにして花に会うたびに季節がうつりつつあることを知った。
花を美しいと思うのは、尊敬する人や愛する人のそばにいるだけで心が満たされるあの心情に似ている。その心の中が写真に撮れないように絵にも描けない。
それでも描くのは、花と過ごすひとときを幸せと思う恋に似た思いがあるからである。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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