日々思うこと

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ

冨田鋼一郎

朝日新聞(2023年1月1日付け)単独インタビュー記事で書き留めた言葉。

「ウクライナ侵攻で起こったことは、「人間性」への漠然とした信頼を揺らがせた。何故こうもすぐに文化的な部分が失われてしまうのか。人間から獣がはい出している」

「作家は人々を育み、人々の心を強くしなければなりません。残虐な運命に身を置かれた時、人間をのみ込む孤独に打ち勝てるように。人の中に出来るだけ人の部分があるようにするために作家は働くのです」

「私たちが生きているのは孤独の時代。私たちの誰もが、とても孤独です。文化や芸術の中に人間性を失わないためのよりどころを探さなくてはなりません」

「(テクノロジーの発展が続くなか)人間は二つの現実を生きています。一方は、人々と街が破壊される、全く中世的なウクライナでの戦争。
他方は、人工知能や宇宙船ーー。人間の意識が到底受け入れられない、この二つの世界に、私たちは生きているのです」

(人はどうすれば絶望から救われるのでしょうか?)
「近しい人を亡くした人、絶望の淵に立っている人のよりどころとなるのは、まさに日常そのものだけなのです。例えば、孫の頭をなでること。朝のコーヒーの一杯でもいいでしょう。そんな何か人間らしいことによって人は救われるのです」

(Wikipediaより)
スヴェトラーナ・アレクサンドロヴナ・アレクシエーヴィッチ(1948年生まれ)
(ドイツ亡命中)

ベラルーシ人の父とウクライナ人の母をもつ。ジャーナリストとして初めて2015年ノーベル文学賞受賞。
受賞理由:我々の時代における苦難と勇気の記念碑と言える多声的な叙述に対して。主著:
『戦争は女の顔をしていない』
『ボタン穴から見た戦争』
『アフガン帰還兵の証言』
『チェルノブイリの祈り』
『アフガン帰還兵の証言』
『死に魅入られた人びと』

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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