骨董品

日高鉄翁筆「花弁」小巻子

冨田鋼一郎
H9.5 x W266.0 (cm)
鉄翁祖門(てつおうそもん1791-1872)

幕末長崎で活躍した南画家。木下逸雲・三浦梧門と共に長崎南画三筆。本姓日高氏。諱は祖門、道号を鉄翁とした。文政10年、51歳の田能村竹田が春徳寺の鉄翁を訪問。ふたりはこの邂逅を「前世からの知己」と大いに喜んだ。天保年間には親友木下逸雲とともに清人陳逸舟の門下となり、山水図や蘭竹図の画法を伝授された。56歳のときには京都・大坂・江戸に遊歴。特に京都では貫名海屋・日根対山・中西耕石・安田老山・金子由紀操・鼎金城・前田半田らと交わった。嘉永3年(1850年)、退隠すると東淵山雲龍寺に移り、書画禅三昧の日々を過ごす。この時代を特に太素軒時代といい墨蘭竹図・山水図などに名品が多い。蘭竹画、とりわけ四君子のひとつ蘭画の第一人者として知られた。

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冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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