骨董品

江口孤月筆「聞こえれバ」句短冊

冨田鋼一郎
H36.0 x W6.0

聞こえれバ目に見えてゐる神楽哉 孤月

季語:神楽(冬)
神楽:古代より続く神座に神を迎え長命を祈願する神事。神代の天鈿女 命「あまのうずめのみこと」の舞踊に源を発する。宮中で十二月中旬に神事が行われる。

孤月は渡辺崋山の俳句師匠である。江戸青山に住んでいた。神楽の神事が聞こえてきたのだろう。聞こえてくるだけで、神事の様子が目に浮かんでくるような気がする。
少々理屈っぽいが、雅な趣はある。

江口孤月(えぐちこげつ1789-1872)

江戸後期-明治時代の俳人。寛政元年生まれ。江戸の人。五代太白堂の山口桃隣の弟子で、文政4年六代をつぐ。渡辺崋山の挿絵による歳旦貼「桃家春帖」の刊行をつ
づけた。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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