作品・本・人物紹介

⭕️すゞしさや鐘を離る﹅鐘の声 蕪村

冨田鋼一郎

夏の夜明け。鐘の音が、鐘を離れて波紋のごとく四方へ拡散され、余韻を次第に弱めてゆく。澄明な朝の空気の中へ響きわたる鐘の余韻の清涼感

鐘の音を極度に短い瞬間に圧縮させて、それらを積み重ねることによって、突如に解き放たれる

この句には、宇宙のなかにひとり生きている感覚を覚える

⭕️白萩を春わかち取ちぎり哉 蕪村

季語 秋(萩)
萩の秋と来春の約束という意外な取り合わせ。
他家で美しい白萩を見て感嘆し、来春に根掛けをしてもらう約束した。無垢な乙女を来春嫁にもらいうける約束をしたような艶な言い回しで、女性的な萩の本意をとらえた。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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