作品・本・人物紹介

ギャラリートーク「謝寅(しゃいん)書き」

冨田鋼一郎

蕪村は、俳画と池大雅とともに文人画(南画)の二つのジャンルを確立した

最後の画号「謝寅」から「謝寅書き」と言われて珍重されている

蕪村の画号は非常に多く、子漢(しかん)、懶郎(らいろう)、渓漢(けいかん)、渓霜(けいそう)、朝滄(ちょうそう)、四明(しめい)、三菓堂(さんかどう)、謝長庚(しゃちょうこう)、謝春星(しゃしゅんせい)そして最後に謝寅へと変遷していく

本作品は、ある著名な画僧の「寒山拾得図」双幅に、賛に「寒山詩」を添えたもの

「安永戊戌」と年紀があるので、安永三年(1778)、蕪村63歳の書とわかる

「東成(とうせい)」は、蕪村の故郷、摂津国東成郡(ひがしなりぐん)の出であることを意味している

蕪村晩年の書は、独特なクセのある、人懐こさを感じさせる親しみ深い字である

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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