日々思うこと

蕪村の言葉

冨田鋼一郎

「得たきものはしゐて得るがよし」 (『新花摘』より)

欲しいものはチャンスを逃さず手に入れるべきだと、蕪村は言っている。

「得たきもの」とは、金銭的価値のある物ではない。自分の美意識にかなったモノ、素晴らしいと感動した絵画、詩情をかき立てる自然、懐かしい人里の風景、、などのようなもの。

⭕️牡丹有(ある)寺ゆき過しうらみ哉 蕪村

せっかく目の前にある牡丹の花を「また来年になれば咲くさ」と見逃してはならない。何であれ、自分の思いに叶うものだと感じた瞬間を大切にせよ。

[フェイジョアの花]
知らない名前の木の花に出会い、思わず近寄って、目に焼き付ける。板橋区赤塚の松月院の向かいにある灌木だ。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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