日々思うこと

西洋と東洋の哲学

冨田鋼一郎

西洋と東洋では、人間存在の根源を問う哲学はまるで違って対極にある。

西洋では「己を忘れるな」。
東洋では「己を忘れろ」。

西洋では古代ギリシャの昔から、何より最初に「私」がある。「私」こそが光であり、対象に光を当てて対象を捉えようとする。今日まで’私が在るとは何か’にこだわり続けている。

東洋では、自分を虚しくして対象物の陰となったとき、対象と一体化し「真の自分」に達することができると考える。「私意」を離れて、「私」の持つ執着から逃れて「無」に同化する事で、逆に「真の自分」を発見しようとする。

「己(おのれ)は何者か」。人は決して自分の顔を見ることができない。いつの時代も東西を問わず、何とかして自分の目に代わる方法を探ってきたのだ。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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