日々思うこと

質疑「生きる勇気をもらえる言葉が欲しい」

冨田鋼一郎

〜先日の講演会質疑に想う

桐生の先週土曜日の演題は、「漱石さんに見る良い師、良い友とは」だった。

漱石さんをさかなに「教える」と「学ぶ」の関係について語った。いくつかの質疑のなかに高齢者の男性から思いがけない質問を受けた。

「お話を聞いて、聖路加病院の日野原重明先生のことを思い出した。私のような高齢者はとかく元気がない。生きる勇気をもらえる言葉を何か聞かせてほしい」。

なんとか答えはしたが、今「ああ言えば、こう言えばよかった」とあれこれ反芻している。

人生の先輩の方からこんな質問は予想していなかった。何故私と日野原先生がかぶってしまったのか。

今想うのは、私もこのような質問を受けるようになったということ。きちっと返答できるようになりたい。歳を重ねながら、人様に語ることで新たな課題に出会えた。ありがたい。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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