日々思うこと

エリザベス女王崩御の知らせに想う

冨田鋼一郎

2022年9月8日は記憶に刻まれる日になった。今年は2月プラチナジュビリー(在位70年)を祝った年で新たな首相を任命し終えた直後だった。

いまから121年前、1901年1月22日、英国着いたばかりの漱石はビクトリア女王の崩御に接する。外国人として喪に服すために黒のネクタイとグラブを買う。店の主人がぽつりと呟いた言葉を漱石は日記に書き留めている。
“The new century has opened rarther inauspiciously.”
「新しい世紀は何か不吉なことで始まったようだ」
大英帝国の崩壊を象徴する出来事だった。

在位67年のビクトリア女王、70年のエリザベス女王の二人の生涯を想うとき、歴史のうねりの中で山あり谷あり、一人ひとりの生涯のかけがえのなさを感じる。

英国の葬儀に世界の注目が集まる。奇しくも日英両国の喪の服し方が世界に比較されることになってしまった。

1975年来日記念のアサヒグラフを出してみた。47年前だ。

外国人として私も
合掌

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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