東ドイツ記念通貨5マルク白銅 未使用クルト・トウホルスキー生誕100年記念
冨田鋼一郎
有秋小春
妻こひや鹿も紅葉の山を見ず 草婦人珈涼 印
季語:紅葉(秋)
季節も秋が深まってくると、側にいない連れが恋しくなる・・・
雄鹿も、見事にもみじに染まった山を見もしないで、愛しい雌鹿を探しまわっていることだなあ。
妻恋、鹿、紅葉の取り合わせは、いわゆる月並みの代表といえるが、「・・・山を見ず」としたところに読者の意表を突く。
「二兎を追う漁師山を見ず、、、」も思い浮かべる。
後ろを振り返っている雄鹿の絵。メス鹿を探す可愛らしく寂しそうな姿、女性俳人らしい句を添えて、優しい雰囲気をもたらしている。
虫喰いの傷みがあるが、飯島珈涼尼の自画賛は、それほど多くない。
俳諧師。飯島氏。別号、草婦人。