父の残した膨大な短歌ファイルを繰る(その16)
冨田鋼一郎
有秋小春

「低出生率の罠」に陥る
長年の施策が全て裏目に、惨憺たる有様
早くから問題は気づいていた
無策で手をこまねいていたわけではない
《少子化対策》として打つ施策は読み誤りのオンパレード
政治が日本の衰退に拍車をかけている
耳が痛い天声人語だ
☆☆☆☆
日本は、典型的な「低出生率の罠」に陥っている。英国の人口学者ポール・モーランド氏は近著『人口は未来を語る』で、少子化が進む日本をそう分析した。
「罠」とは、《出生率が低下すると子どもを持つことへの意識や価値観が変わり、さらに低出生率を招くこと》を指す
同著は、仕事と出産の両立が困難な日本には「母親としても働き手としても満たされずにいる女性が大勢いる」と指摘した。
暮らしが豊かで犯罪率が低くても、幸福度が低いのは「当然のことと言わざるをえない」とも
この状況を罠と呼ぶなら、どうすれば抜け出せるのか。2024年に国内で生まれた日本人の子どもが70万人を割ったとの発表に、考え込んでしまった。100万人割れから、まだ9年しかたっていない
原因は複雑なので、取り組みも多様であるべきだ。政府は30年以上も各種の少子化対策を打ち出してきた。だが、目に見える効果がないのはなぜか。
逆説的だが、「どれも少子化対策だったから」ではないかと思い至った
子ども・子育て支援も婚活イベントも、近年のプレコンセプション(妊娠前)ケアにしても、活用する人がいる一方で、「産めという圧力」と感じる女性もいるだろう。キャリアや健康のためよりも、「少子化をやめて」と求められているような。
大切なのは、自分の生き方を自分で決められるとだれもが思えることだ。「子どもを増やすこと」ばかりを重視する政策ならば、罠から逃れることはできないだろう。