標高千メートル
冨田鋼一郎
有秋小春
父は、1981年から亡くなる2016年まで、清水比庵主宰(のち小松北溟主宰)の同人、野水会のメンバーだった
比庵とは、誕生日が同じ2月8日であること、職場(安田銀行)の先輩だったということから、直接会ったことはなかったが格別親近感を抱いていた
毎月送られてくる同人誌「窓日(そうじつ)」が届くのを楽しみにしていた
自分の短歌が毎月掲載されているからだ
父の晩年70代、80代、少なくとも20年余は、会社通勤に加えて、歌会参加と投稿が生活のリズムとなっていた
○ 富士の山いかにも高くわが汽車の
窓にあまりて全貌が見ゆ 比庵
さらに、「窓日」には連載随筆「ぶんきょう文学散歩」、「比庵先生とのご縁」を載せたこともある
清水比庵(しみずひあん1883-1975)
歌人、書家、画家。本名は清水秀。質素な生活ぶり、岡山にゆかりがあること、歌人・書家という活動分野から、晩年は「今良寛」と呼ばれた。