骨董品

渡辺崋山筆「静御前」画

冨田鋼一郎
H27.0 x W37.3 (cm)

印 朱文小豆瓢型印「登」

文治1(1185)年、兄である源頼朝と不仲になっていた義経は、静御前とともに京都を離れる。しかし翌年、雪の降る大和国吉野山の山中で、義経の身の安全を配慮して静御前は義経と別れる。ここで静御前は捕まり、母・磯禅師とともに鎌倉へ送られる。

しづやしづしづのをだまきくり返し昔を今になすよしもがな
吉野山峰の白雪ふみわけて入りにし人の跡ぞ恋しき

頼朝と妻・北条政子に命じられて、鶴岡八幡宮の社前で静御前が舞ったときの歌。どちらも義経を恋い慕う内容で、頼朝を激怒させましたが、政子が「自分も同じ立場ならこうする」と取りなして、命を助けられた

風に尾花などがなびく中を、義経と別れて難を逃れようと先を急ぐ静御前。衣装にほどこされた朱、藍、茶の淡い色彩が印象深い。細い面相筆で描いたもの。

渡辺崋山(わたなべ かざん1793-1841)
静御前(しずか ごぜん、生没年不詳)

平安時代末期から鎌倉時代初期の女性。母は白拍子の磯禅師。源義経の妾。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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