日々思うこと

納涼!NHKスペシャル「ヒマラヤ’悪魔の谷’」7月30日

冨田鋼一郎

ようやく7月が終わる。1ヶ月がとても長く感じた。気象の異変だけでなく、不可解な事件、企業の不正などが加わってことさら暑苦しい月だった。

そんななか真夏の夜に相応しいスリル満点の納涼は、昨日7月30日のNHKスペシャル。

地球上で数少なくなった人跡未踏の地、ヒマラヤ山脈のアンナプルナにある大地の裂け目と針山に挑む。

アンナプルナは、その可愛らしい名前に似ず、深い裂け目があるため最も危険な山のひとつとされている。

地図の空白地帯で、グーグルマップでしか見ることのできない場所に挑むのは二人の日本人探検家。

巨大な崖を垂直降下する。途中に色鮮やかな地層が剥き出しになっている。大昔海底で、隆起した証だ。谷底に辿り着くと、上から落石のあらし。危険と隣り合わせ。

裂け目の形成の謎に挑む学者の見解も見どころ。

地質図で空白地帯となっている。番組作成に同行したNHKクルーの存在がなければ我々は知ることができないこと。事故なく取材できたことに拍手。

探検途中に逝った植村直己(1941-1984)さんのことを思う。

今年一番の番組だった。

[アンナプルナ]
可愛いらしい名前に反して、登山には最も危険な山のひとつ。

世界で難易度が高い山3選|谷川岳、K2(パキスタン)、アンナプルナ(ネパール)
標高8091mのネパールにある山です。アンナプルナとは、サンスクリット語で「豊穣の女神」を意味しています。美しい名前とは裏腹に、8000m峰においてトップの死亡率を誇ることから、別名「キラーマウンテン」と呼ばれている非常に危険度の高い山です。
アンナプルナはその美しい雄姿を気軽に眺めることができます。しかしいざ登ろうとすると、北側は雪崩が頻発する地帯であり、南壁は高度な技術であっても登頂困難な大岩壁となっているため、2012年3月時点で191人しか挑戦していません。対して死亡者は61人に達し、死亡率が30%以上という恐ろしい数字を叩き出しています。エベレストの死亡率が、4%台になっていることと比較するとその難易度の高さが際立ちます。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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