「俳文学会東京研究例会」のこと

研究者の相互研鑽の場である。
戦後にはじまり、もう半世紀も続いている。毎年7回ほど集って和気藹々と、毎回二つの発表と質疑応答をする。重鎮から研究者の卵まで、大学を越えて仲間同士の交流と指導・情報交換の場でもある。
以前は著名な先生方が何人もおられたが、世代交代が激しい。そう感じるのは、自分が老いたからだ。
学会とあるが閉鎖的でなく、私のような一般人も会員として参加できる。過去に三回ほど発表させていただき、この秋に四回目を予定している。
6月例会の案内が届いた。毎回発表の要旨が明示される。学会の雰囲気を想像できる。
第479回
日時:6月28日(土)午後2時30分~午後5時
場所:江東区芭蕉記念館会議室
【研究発表】
○佐藤淳子氏「花好発句注釈稿」
花好とは北関東遊歴時代の蕪村を扶けた人物の一人、関宿藩境町の箱島阿誰の長男俳名浙江(閑鵞)の妻シュンである。
花好を研究に選んだ理由は『俳人箱島阿誰とその周辺』の著者林貞夫氏が特筆した「(花好の)その力量には凡庸でないものを感じる」という一文に触れた点が発端である。
花好の現在判っている発句は25句で、発句注釈を進めると否定的な要素を持つ語句が散見されていた。これは花好発句の特徴と言えるだろう。
○牧藍子氏「許六自注『追善註千句』第八百韻の検討」
『追善註千句』は、許六が芭蕉の十七回忌追善に巻いた独吟百韻一〇巻に自注を付したものと、追加の当日追善十七吟半歌仙を収めた作品である。
本発表では、本書の第八百韻のうち、注釈の困難な箇所を取り上げ、私案を提示する。また、本作の自注は、『俳諧問答』をはじめとする諸俳書に説かれる許六俳論と密接な関連が認められるなど、非常に有意義なものであるが、必ずしも句の内容に即して付されているとは言いがたいものも散見する。
そこで、本作の自注の性格に関して、現時点における考察もあわせて報告したい。

