日々思うこと

小林勇の絵画

冨田鋼一郎

生涯後半、約30年にわたり絵筆を手に取ることが日課になった。

独学の絵画作品はそのまま作者の人柄を映し出す。

「私は自分がよくならなければいい絵はできないと信じている。技術の勉強だけに走ることは堕落だと思っている。今は自分に時間を与えてくれと祈る心持だ。私はものを見なければ描けない。授業が足りないことも事実だが、自然の中には美しいものがあり過ぎると思う。」(「絵筆を持って」)

忘れ難い心に残る文章だ。

⭕️楽しみはあしたの庭にござをしき ぼたんの姿ながめゐるとき 冬青

1977年作「牡丹」
落款に「冬青左手」とある。
晩年リウマチのため右手で絵筆を掴めなくなり、左手で描いた。

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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