読書逍遥第266回『嵯峨散歩、仙台・石巻』(その5) 司馬遼太郎著
冨田鋼一郎
有秋小春
河合隼雄さんは、キラリと鋭い眼をしていながら、人は笑い顔に包みこまれてしまう
茫洋としていて、どこか捉えどころのない巨大な人物
自ら立ち上げた?「日本ウソつきクラブ」会長でもある
(河合)「新幹線で東京と往復していますと、いやあ、この頃は静岡のあたりも張り切っておりますなぁ」
「へー、どんなですか?」
(河合)「この間、夜とおりましたら、富士山になんと夜間照明をあてて、富士山がカーッとライトに浮かびあがっておりましたワ」
「ひゃー、きれいやろうなぁ」
って(笑)
(河合)「うちの研究生のあいだでは、僕の話の真偽が判定できるようになったら卒業できるという噂になっております(笑)。
講義を受ける学生に、一期とニ期と症状がありまして、第一期症状は、全部信じるんです。僕の話を。
これが進行して、第二期症状になると、全部ウソやと思う(笑)。
こうやって、だんだんわかるようになるあたりで卒業、と。」