読書逍遥

読書逍遥第455回『中国小史 黄河の水』(その1) 昭和2年(1926)発刊 鳥山喜一(1887-1959)著

冨田鋼一郎

『中国小史 黄河の水』(その1) 昭和2年(1926)発刊 鳥山喜一(1887-1959)著

子ども向けの「中国小史」どころか、大人向けの「中国通史」とするにふさわしい

黄河は、漢民族の歴史と文化のシンボルである

民族を貫く歴史の流れというものに注意して、4000年にわたる漢民族とその文化の性質の本質に迫る

黄河:青海省の山奥の湖が源で、甘粛、陝西、河南、河北、山東省を貫き、渤海湾に注ぐ世界第8位の大河

黄河流域は肥沃な黄土層で覆われて、農業への進みが早かった
その証拠が土器により知られる

火の使用と家畜の始まりの跡がある

堯(ぎょう)・舜(しゅん)に続き、禹(う)が天子の位につき、国名を夏(か)となる

中国最初の国とされる「夏」の文字は、人間を意味しており、漢民族だけが人間で、まわりの外民族は動物と見下していたことを示す

今日に至る「中華思想」の考え方は、歴史のあけぼのの禹の時代に端を発する

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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