読書逍遥第476回『こころの処方箋』河合隼雄著
冨田鋼一郎
有秋小春
子ども向けの「中国小史」どころか、大人向けの「中国通史」とするにふさわしい
黄河は、漢民族の歴史と文化のシンボルである
民族を貫く歴史の流れというものに注意して、4000年にわたる漢民族とその文化の性質の本質に迫る
黄河:青海省の山奥の湖が源で、甘粛、陝西、河南、河北、山東省を貫き、渤海湾に注ぐ世界第8位の大河
黄河流域は肥沃な黄土層で覆われて、農業への進みが早かった
その証拠が土器により知られる
火の使用と家畜の始まりの跡がある
堯(ぎょう)・舜(しゅん)に続き、禹(う)が天子の位につき、国名を夏(か)となる
中国最初の国とされる「夏」の文字は、人間を意味しており、漢民族だけが人間で、まわりの外民族は動物と見下していたことを示す
今日に至る「中華思想」の考え方は、歴史のあけぼのの禹の時代に端を発する