読書逍遥

読書逍遥第450回『ありえない138億年史』宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー (その8) ウォルター・アルバレス著

冨田鋼一郎

『ありえない138億年史』宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー (その8) ウォルター・アルバレス著

原題 A MOST IMPROBABLE JOURNEY
A Big History of Our Planet and Ourselfs

[地球における「火の歴史」]

地球に存在する四大要素
 マグネシウム、ケイ素、鉄と酸素

大半の酸素は、他の元素と結びつき、地殻やマントルの固体鉱物の中に固定され、水分子として水素と結びついていた

気体としての酸素(遊離酸素)が存在するは、25億年前原生代のはじめ光合成によって放出されてから 

しかし、しばらくの間は低酸素状態
光合成が始まってもすぐに遊離酸素は増えなかった 地表の表面を「さび」つかせるのに使われた およそ15億年ほど、この還元鉄を酸化鉄にする時代が続く

10億年ほど前に地球のさびつきがほぼ終わり、ようやく大気中の酸素濃度が上昇する

しかし、遊離酸素はあっても、まだ地球上には燃えるものがなかった

4億2500万年前、陸生植物が現れる
陸上で植物は、体を支える硬い部分を発達させる必要があり、「木」の構造が地球上の最初の火を生み出す元になる

⇨⇨つまり「地球で何かが燃えるようになったのは最近のこと、地球の歴史のおよそ90%が過ぎてから」である

[人間が他の動物と違うこと一つは、火の管理をすること]

いつから始まったか?は、はっきりしない

おそらく、330万年前「石器」使用が始まってから、4万年前「ライオンマン」(人類最初の芸術品)出現の間であろう

(火の用途拡大)
火を絶やさない 火を起こす 暖を取る
調理する 危険物(火傷、火災)
道具の製作(土器、ガラス、金属抽出、青銅器、蒸気etc.)

「火の管理」は、人類の発展に欠かすことのできない根本的な起爆剤だった

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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