読書逍遥第448回『ありえない138億年史』宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー (その6) ウォルター・アルバレス著

『ありえない138億年史』宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー (その6) ウォルター・アルバレス著
原題 A MOST IMPROBABLE JOURNEY
A Big History of Our Planet and Ourselfs
[エリー運河1817着工1825完成運用開始]
Erie Canal
ニューヨーク州にある運河。エリー湖からハドソン川上流までを繋ぎ、ニューヨーク港に注ぐハドソン川を通じて五大湖と大西洋の間の舟運を可能にした
ニューヨークからハドソン川を遡り、オールバニーで西に折れ、スケネクタディ、ユーティカ、シラキュース、ロチェスターと、支流モホーク川沿いエリー運河でバッファローへ繋がった
ハドソン川の特長
1万2千年前の大氷河期にカナダの巨大な氷床の先端が大地を広く削り取って出来た川
川幅が広く深いため、オールバニーまで船舶が北上できる
また、潮の干満があり、蒸気船発明前には上げ潮に乗り川の流れに逆らって遡上できた
東部と中西部の運搬を一気に容易にした最初期の交通革命となった
全長584キロメートル、幅12メートル、深さ1.2メートル)で、閘門は83箇所ある
エリー運河は東海岸とその西側の内陸部との間の交通手段として、動物に曳かせる荷車より速い
ハドソン川の支流であるモホーク川はアパラチア山脈の北縁にあたる
モホーク川は北では唯一アパラチア山脈を横切っており、東はハドソン川に直接繋がり、西はオンタリオ湖かエリー湖に近かった
そこからは内陸部の者や多くの開拓者がこれらの湖に行くことができた
エリー運河は、まだ生まれてあまり時の経っていないアメリカ合衆国をイギリスやヨーロッパ諸国に結びつける働きもした
イギリスはトウモロコシ法を撤廃し、中西部の小麦のイギリスに対する輸出高が飛躍的に拡大した
アメリカ合衆国とカナダの間の貿易も、トウモロコシ法の撤廃と1854年に結ばれた自由貿易協定の結果として増大した
