読書逍遥

読書逍遥第447回『ありえない138億年史』宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー (その5) ウォルター・アルバレス著

冨田鋼一郎

『ありえない138億年史』宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー (その5) ウォルター・アルバレス著

原題 A MOST IMPROBABLE JOURNEY
A Big History of Our Planet and Ourselfs

「大陸移動のポルトガル、スペインへの影響」

ポルトガルがスペインより1世紀近く、早く探検を開始できた理由

アルボラン微小大陸の移動により、サルディーニア島とコルシカ島が南北に並ぶ

さらにアルボラン微小大陸が西に移動して、スペイン南東部に衝突し、シエラネバダ山脈を生み出す

イベリア半島に最後まで残っていたイスラム教国グラナダ王国は、この防御に適した険しいシエラネバダ山脈を拠点にしていたことが幸いした

他のイスラム教国が半島から駆逐された後も、250年間にわたり命脈を保つことができた

ところがイベリア半島の南西部に位置するポルトガルは、土地なだらかであったため、1250年にはその地域のレコンキスタを終えていた

これがポルトガル(エンリケ航海王子)がスペインよりも1世紀近く、早く大西洋探検を開始できた理由でもある

ちなみに、1755リスボン大地震は、アルボラン微小大陸がグラナダ王国の拠点となるシエラネバダ山脈を生み出し、さらに、西進を続ける微小大陸の最前部で起きたと考えられる

@@@@

1492 レコンキスタ(イスラム追放)完了
1492 コロンブス新大陸到達
1494 トルデシリャス条約

[イベリア半島]
ポルトガル王国、レオン王国、カスティーリャ王国、アラゴン王国があった
同じキリスト教国同士での紛争が起こるのを避けるため、教皇承認の条約によりキリスト教国が征服するイスラム教国の領地を事前に分割していた

1494年のトルデシリャス条約は、その考えを延長し、全世界に適応したもの

教皇は全世界を二分割して新たに征服する領地について、その線から東側をポルトガルのもの、西側スペインのものとした

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
記事URLをコピーしました