読書逍遥

読書逍遥第442回『日本史の謎は「地形」で解ける』【文明・文化編】(その11) 竹村公太郎著

冨田鋼一郎

『日本史の謎は「地形」で解ける』【文明・文化編】(その11) 竹村公太郎著

広重「東海道五拾三次」33番目三河の「ニ川・猿ヶ馬場」ニ川宿

名物の柏餅の茶屋を前に三人の瞽女(ごぜ)が行く
瞽女は三味線を弾いて各地をめぐる盲目の女性
背景には背の低い松の木がポツンポツンと生えているだけ
緑が目に染みる光景とはほど遠い

「東海道五十三次」に描かれた背景を見てみると、神奈川、保土ヶ谷、平塚、大磯、小田原、箱根、岡部、島田、舞阪、日坂中山峠(にっさか)、白須賀などの山も丘もパラパラと松木が生えているだけだ

当時の東海道筋には鬱蒼とした木々はなく、貧相な植生が広がっていた

江戸中期には、森林資源の枯渇リスクが問題になってきた

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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