読書逍遥

読書逍遥第439回『絵を見る技術』(その2) (ー名画の構造を読み解く) 秋田麻早子著

冨田鋼一郎

『絵を見る技術』(その2) (ー名画の構造を読み解く) 秋田麻早子著

この絵の主役はどこ?
ーーフォーカルポイントとは

絵を見始めるスタート地点が「フォーカルポイント」
これが画家が一番に見て欲しいところ

形と意味は切り離せない

[図と地(ぢ)]
図:物が形として浮かび上がる
地:その残りの部分

[明暗のコントラストに着目]
○明暗の落差が激しいところ
○線が集まっているところ
○身振りや手振り
○グラデーションや筆遣い
○大きい方から小さい方へ
○絵の中の人物の視線

例 ゴッホ「夜のカフェテラス」1888

[分散と集中]

(中世のゴシック絵画の特徴)
画面のディテールのどこを見ても楽しめる描写で埋め尽くす
(ルネサンスの絵画の特徴)
主役への集中度が高く、主役以外のところは細密描写を控えた表現にしている

二つのフォーカルポイントを繋ぐ結び目
例 ミケランジェロ「アダムの創造」1511頃

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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