読書逍遥第450回『ありえない138億年史』宇宙誕生と私たちを結ぶビッグヒストリー (その8) ウォルター・アルバレス著
冨田鋼一郎
有秋小春
[今回のテーマ]
「海の中」を走った日本初の鉄道
JR東日本の品川駅・田町駅の間の高輪付近に天井が異常に低いトンネルがある
今は山手線、京浜東北線、横須賀線、東海道線、新幹線、貨物線の八本となり、国内最大級の線路幅を持つので、長いトンネルとなっている
新橋汐留から品川宿の旧東海道筋には、薩摩藩、肥後藩、細川藩、紀伊家、松平家などの大名の中屋敷や外屋敷が多く、明治になってもかつての旧大名たちが住み、鉄道に反対
用地問題を解決するために迂回して海に土手を築き、鉄道を通した
低いトンネルはその痕跡
1853(嘉永6)ペリー蒸気船黒船
1872(明治5) 新橋・横浜間で蒸気機関車が走る
多摩川、鶴見川を貫く鉄道
封建社会の日本は、”devide and rule”
各大名が領地が、山や海、川で分断され、配分されていた
廃藩置県 幕藩封建体制から中央集権への脱皮に果たした起爆装置が蒸気機関車
1889 新橋・神戸間に鉄道
1891 上野・青森間に鉄道
わずか30年で全国7千キロの鉄道網敷設
鉄道網は、分断されていた地形を貫き、東京へ人々を集める装置であった