読書逍遥

読書逍遥第435回『日本史の謎は「地形」で解ける』【文明・文化編】(その9) 竹村公太郎著

冨田鋼一郎

『日本史の謎は「地形」で解ける』【文明・文化編】(その9) 竹村公太郎著

[今回のテーマ]

「海の中」を走った日本初の鉄道

JR東日本の品川駅・田町駅の間の高輪付近に天井が異常に低いトンネルがある

今は山手線、京浜東北線、横須賀線、東海道線、新幹線、貨物線の八本となり、国内最大級の線路幅を持つので、長いトンネルとなっている

新橋汐留から品川宿の旧東海道筋には、薩摩藩、肥後藩、細川藩、紀伊家、松平家などの大名の中屋敷や外屋敷が多く、明治になってもかつての旧大名たちが住み、鉄道に反対 

用地問題を解決するために迂回して海に土手を築き、鉄道を通した
低いトンネルはその痕跡

1853(嘉永6)ペリー蒸気船黒船
1872(明治5) 新橋・横浜間で蒸気機関車が走る

多摩川、鶴見川を貫く鉄道

封建社会の日本は、”devide and rule”
各大名が領地が、山や海、川で分断され、配分されていた

廃藩置県 幕藩封建体制から中央集権への脱皮に果たした起爆装置が蒸気機関車

1889 新橋・神戸間に鉄道
1891 上野・青森間に鉄道

わずか30年で全国7千キロの鉄道網敷設

鉄道網は、分断されていた地形を貫き、東京へ人々を集める装置であった

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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