読書逍遥

読書逍遥第426回『ロードス島攻防記』(その3) 塩野七生著

冨田鋼一郎

『ロードス島攻防記』(その3) 塩野七生著

ロードス島の西北側にはトルコ領沿いに島々が点在する

古代ギリシャの世界

・コス島 ヒポクラテスの生地
・ボルドム(旧ハリカルナッソス)ヘロドトスの生地
・ミレトス、エフィソス、トロイ
・レスボス島 古代抒情詩人の島

ロードス島の開城により、聖ヨハネ騎士団は転々とした後、最後にマルタ島を本拠にして落ち着き、「マルタ騎士団」と呼ばれるようになる

「マルタ騎士団」 は、1798年ナポレオンから追放されて島を去る
マルタ島はフランス領になり、1814年次いでイギリス領になり、第二次世界大戦後に独立した共和国と変わる

聖マルタ騎士団は、1453年エルサレムからの追放、1522年ロードス島からの追放、そして1798年マルタ島からの追放と三度の追放を被ったことになる

現在は「エルサレム、ロードス及びマルタにおける聖ヨハネ主権軍事病院騎士修道会」の長い名前となり、国土を持たない主権実体を持つ特異な国家として存在する

現在は領土を有さないが、かつて領土を有していた経緯から今日でも国際法上の「主権実体(sovereign entity)」として認められ、中央政府を置くイタリア・ローマのマルタ宮殿には治外法権が与えられ112の国家と国交を結んでいる(2022年時点)。そのため「領土なき独立国」とも呼ばれる

国連にはオブザーバーとして参加している(日本は国家として承認していない)

「国家は大きさではない。我々にはアイデンティティーがあり、領土のある国家よりも強いという自負がある」

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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