日々思うこと

「希望のまち」「助けて」言える まちづくり

冨田鋼一郎

北九州市にある認定NPO「抱樸(ほうぼく)」 

(2024.11.10付け朝日一面記事)

「なんちゃって家族」大実験

三階建て福祉施設の建設構想
 一階 地域活動スペース
 二階 よろず相談窓口
 三階 救護施設、避難所

キーワードが出てくる
耳を傾けるべき考え方を知る
 「家族機能の社会化」
 「社会的相続」

(背景)
・少子高齢化、単身化の同時進行
・高齢化率37.1%
・全世帯数に占める単独世帯割合の増加
・5261万世帯の内2330万世帯が単独世帯

(理念)
・だれも取り残さない
・断らない
・なんちゃってでいい家族
になる

-社会というバケツの底に穴が空いているので、いくら手厚く支援しても、次の人がまた落ちてきてしまう

-本来の社会をつくり替えないと問題は解決しない

-自己責任や自助ばかり強調されるようになり、助けてと言えず、孤独化が進んでしまう

-社会制度の前提となってきた家族そのものが崩れ、医療や福祉の制度につなぐ家族の気づきや見守りも失われてきている

-家族で何とかしろという雰囲気だけが残り、頼る先がなく、孤独化は進む一方である

-憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」の保障は何よりも国がすべきことですが、それでだけですか、あとは自己責任なのですかとと言いたい

-13条には「すべての国民は個人として尊重される」とある。相互性が欠け落ちていく時、私が私であり続けられるようにしていくために、国でない私たちNPOも何ができるかが問われています

-「家族機能の分化と社会化」
希望の街にいれば助けてと言えるし、助けてと言われる
もっとハードルの低い弱目的なつながりを作り出したい

-家族の機能を分化したらどうだろう
お弁当を作ったらその人は家族
お葬式に出たら皆家族
これを「家族機能の社会化」と呼んでいます

-行政の制度や専門家による支援は、1本の太いロープ、切れたらガタガタになる
私たちNPOは細い100本のロープを用意するイメージです

-「社会的相続」
親が子供に教えることができない
その親も教えてもらっていない
だから、親の代わりに社会全体が相続者として子供たちに何を渡してやれるか、そうしたモデル作りをやっていく

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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