日々思うこと

「廃炉へ ひとつまみの一歩」

冨田鋼一郎

「デブリ初の取り出し」のニュースに詳細な解説があった(2024.11.8朝日)
解説がなければ知らないことばかり

880トンと推定されるデブリの3グラムは、ほんの「ひとつまみ」
わずか3÷880,000,000 数億分の1

デブリの取り出しには順番があるらしい
 2号機⇨3号機⇨1号機

[課題山積]
・安全確保しながら遠隔操作で
・異物の混じる燃料デブリの処理方法
臨界リスクと固さの推定
・ロボットアームの改善と新たな保管・取り出し方法
・放射性廃棄物のさらなる増加の可能性
・取り出し後の処分先選定

☆☆☆

話は飛ぶが、ずいぶんと前に自動車メーカー企画幹部から「私の見える世界」についての講演を聞いたことがある

世界各地の現状と課題を説明した後、最後に、「我が社は便利な乗り物を世に出すことで社会に貢献しているが、自動車は人を殺してしまう凶器ともなりうる「原罪」を持っている」と言った

ビジネスの世界で「原罪」を持ち出すことに少々違和感を感じたものだ

それこそ、放射性廃棄物処理は、これから数十年どころか、数十万年単位の重荷を抱えたことと同義である

「東電は、そして日本も、長期にわたって未来の人々と地球に対し「原罪」を背負うことになってしまった」といえる

今日(11.9)の朝日川柳から

⭕️生涯の一瞬ほどの欠片(かけら)かな
       (神奈川県菅谷彩香さん)

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ABOUT ME
冨田鋼一郎
冨田鋼一郎
文芸・文化・教育研究家
日本の金融機関勤務後、10年間「学ぶこと、働くこと、生きること」についての講義で大学の教壇に立つ。

各地で「社会と自分」に関するテーマやライフワークの「夏目漱石」「俳諧」「渡辺崋山」などの講演活動を行う。

著書
『偉大なる美しい誤解 漱石に学ぶ生き方のヒント』(郁朋社2018)
『蕪村と崋山 小春に遊ぶ蝶たち』(郁朋社2019)
『四明から蕪村へ』(郁朋社2021)
『論考】蕪村・月居 師弟合作「紫陽花図」について』(Kindle)
『花影東に〜蕪村絵画「渡月橋図」の謎に迫る』(Kindle)
『真の大丈夫 私にとっての漱石さん』(Kindle)
『渡辺崋山 淡彩紀行『目黒詣』』(Kindle)
『夢ハ何々(なぞなぞ)』(Kindle)
『新説 「蕪」とはなにか』(Kindle)
『漱石さんの見る21世紀』(Kindle)
『徹底鑑賞『吾輩は猫である』』(Kindle)
『漱石さんにみる良い師、良い友とは』(Kindle)
『漱石さん詞華集(アンソロジー)』(Kindle)
『曳馬野(ひくまの)の萩』(Kindle)
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